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秋彼岸全体供養の御講話

9月23日の秋彼岸全体供養での御講話の内容です。

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今年の秋のお彼岸の中日(秋分の日)は、昨日の9月22日でした。
西暦2043年までは、オリンピックの開催される閏年(西暦年数を4で割った余りがゼロの年)が22日で、それ以外の3回は23日になります。
今年は東京オリンピックの開催される予定でしたから、22日なわけです。
蓮華院では三の付く日がご縁日ですので、お寺の行事として今日の23日に秋彼岸全体供養を執り行いました。
また、例年でしたら夕方にお参りをして、その後「観月会」を催して、食事をしながら演奏を鑑賞しながら、ご先祖様と一時、秋の夜長を過ごして頂いておりましたが、今年はコロナ禍によりやむを得ず中止となりました。

そんな中でも、こうしてご先祖様を供養するというのは非常に大切な事でございます。
人間には、どうしても欲望というものがあります。三つの悪い鬼、貪・瞋・痴、貪りと怒りと無智が心の中にあって、自分の事ばかりを考えてしまいます。
しかしこうしてお彼岸やお盆にご先祖様のためにお参りするというのは、自分のためではございません。ご先祖様のためです。
法要の一番最後に「廻向之文」を唱えます。
「願わくは この功徳をもって 普く一切に及ぼし 我等と衆生と 皆ともに 佛道を成ぜん」
願いますれば、このお参りの功徳によって、自分も含め、全ての者が悟りの世界に行けます様にと。これを廻向と言います。廻向と言うのは、良い行いを廻り巡らすという事です。
ご先祖様のためにお墓参りをするという良い行いも、ひいては自分に戻って来ます。

お墓参りだけではありません。
普段家庭で生活をしたり、また会社に仕事に行く。年配の方は地域の活動や老人会に参加する。子供達は学校に行く。
それぞれが色んな社会の中で生活をしています。そうした中での良い行いも、やがて自分に返ってきます。
決して自分のためにとは思わずに、人のためにと思って心を使い、身体を使って奉仕をしていると、やがて廻向、廻り巡って返って来るんです。
私はよく奥之院で、デイケアでお参りに来られた方に、「和顔施」(わがんせ)や「愛語施」(あいごせ)をおすすめしています。
車椅子を押してくれたり、ご飯を食べさせてくれたり、お風呂に入れてくれる人に、ニコニコ笑顔を見せたり、やさしい口調で「ありがとう」と言葉にする事は、それだけで相手に対する布施、良い行いになり、やがて自分に返って来ますよと。

人のために尽くすことは、いつか自分に返ってきます。
皆さんもそれぞれが社会で生活をされています。
その中で自分のことばかりではなくて、少しでも人に思いを廻らせて、人のために尽くす。
それが自分の幸せの一番の種でございますので、このお彼岸の供養に際してもう一度、生活を見直して頂ければ有難いと存じます。
合掌

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